Hugh Jackman オーストラリア 1968.10.12生誕
The Son/息子 米国・英国・フランス 2022
フランスの劇作家フローリアン・ゼレール作の戯曲『Le Fils 息子』をゼレール自身が、前作『ファーザー』に続いて脚本・監督を兼任して映画化したものである。
一流法律事務所に勤める弁護士のピーター(ヒュー・ジャックマン)は、仕事一途で家庭を省みない傾向もあるが、自身は再婚相手のベスや、生まれて間もない息子のセオと幸せに暮らしている。オーダースーツに身を包んで、オフィスで働く彼の姿は、眩しいほど輝いている。彼は2年ほど前に離婚している。元妻のケイト(ローラ・ダーン)は高校生の息子ニコラスと暮らししている、。
ある時、ニコラスが1か月も学校に行っていないと、ピーターの家に元妻のケイトが相談に来る。ニコラスは毎日、登校するふりをして不登校を繰り返していた。ピーターは父親としてニコラスと話し、「母親と暮らすのは無理」「父さんといたい」と泣かれて、息子を家に引き取ることにするが・・・。
「心の問題には、必ずと言っていいほど恥、罪悪感、無知が伴う。しかし、そのような感情やレッテルは重要な会話の妨げになってしまう。この映画が、心の病に関する様々な対話のきっかけとなることを期待する」〜フロリアン・ゼレール監督
真摯に向き合うヒュー・ジャックマン演じる父親の姿に、変に慰めたり、ストーリーの中で急激に回復したりっていうのが無い、息子との関係にリアルさを感じた。
〜けど、そもそもこの人の不倫・離婚がなかったら?輝いている男盛りの彼には、素敵な女性も引き寄せられる??「お父さんは、お父さん自身の人生を生きたいんだ」と主張する男の気持ちも、わからなくはないが・・・。
鬱病の息子を気遣う、こんな素晴らしい演技パフォーマンスを見せてくれているヒュー・ジャックマンですが、彼自身も基底細胞癌(基底細胞がんは、皮膚がんの一種で、表皮の基底細胞に発生する悪性腫瘍である)を患っています。2013年に初めて診断され、その後も2017年に再び皮膚がんの治療を受けています。2021年には再発の可能性を報告、定期的に検診を受け、早期発見に努めている。日焼け止めを積極的に使用し、ファンにも推奨しています。
愛だけでは救えない息子の苦悩を、ひしひしと感じる。どこにでもいそうな家族の突然の異変に、胸が詰まる思いは鑑賞後しばらく引きずることとなります。
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